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■ COPD(慢性閉塞性肺疾患)
金原医院  金 達龍
COPDとは
 ゆっくりと呼吸機能が低下する病気で、従来は「肺気腫」、「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気です。セキ・タン・息切れの症状で始まり、ゆっくりと進行するため、異常を感じて受診したときには重症に陥っている場合が多い「肺の生活習慣病」です。  風邪でもないのにセキやタンが続いたり、階段の昇降時など体を動かした時に息切れを感じるようになります。健康であれば、セキやタンが毎日続いたり、歩いただけで息切れをすることはありません。

COPDはタバコ病
COPDは別名「タバコ病」といわれ、患者の90%以上は喫煙者です。また、受動喫煙(間接喫煙)によって非喫煙者も呼吸機能が低下することが証明されています。喫煙以外でも、大気汚染や職業的な塵埃や化学物質も刺激になります。また、遺伝的体質や出生時の肺の成熟度との関連なども最近注目されています。特に、鉱山や建築現場、化学工場、牧場、ペットショップなどで働いている人は注意が必要です。  タバコなどの有害な粒子やガスを吸い込み続けると、肺にいつも炎症が起こった状態が続き、慢性的なセキやタンの症状が認められようになります。炎症が長く続くと、タンが増えて空気の通り道である気管支が細くなり、ブドウの房の形をした肺胞の壁が壊れて弾力がなくなって、肺胞における酸素と二酸化炭素のガス交換が慢性的に悪くなります。治療をせずに放置すると肺胞の破壊はますます進行し、呼吸不全や心不全など全身にさまざまな障害があらわれます。  健康な人でも、加齢とともに肺機能は少しずつ低下していきますが、COPDにかかると、肺機能の低下のスピードが速くなります。異常を自覚して受診するころには、すでに、肺胞の破壊が進み、中等症から重症になっている場合が殆どです。COPDで苦しまないためには、予防対策(禁煙など)が最も大切です。軽い初期症状(セキ・タン)の段階で気付き、肺機能検査を受けてできるだけ早期に発見し、正しい治療を受けて悪化を防ぐことが最善の方法となります。

日本の推定患者数は約530万人
 WHO(世界保健機関)の統計では、COPDは世界の死亡原因の第4位にランクされ、今後、ますます患者数の増加と死亡率の上昇が予想されています。日本においても、大規模疫学調査研究(2001年)の結果では、約530万人の患者さんがいると推定され、実際には多くの患者さんがいるのに正しく診断を受けていない実態が明らかになっています。  COPDは喫煙と関係の深い病気です。米国では、タバコ消費量の増加に約10年遅れて肺がんによる死亡が増加し、それから約10年遅れてCOPDによる死亡が増加しています。日本でも、同じ現象が起こっています。日本の喫煙率は男女ともに世界平均より高く、また高齢者が多いことから、ますます日本で患者数が増加すると考えられています。また、タバコ消費量が欧米に比べ、遅れて増加したアジアなどの発展途上国において、今後COPDが非常に大きな問題となることが予想され、大いに懸念されているところです。
(ミニミニおとくに5月1日より)

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