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片岡診療所 片岡卓三
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| 乙訓医師会の十年 |
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今年は乙訓医師会が誕生して六十年を迎えます。
そこでこの機会に乙訓医師会の最近十年間の活動を紹介したいと思います。
まず十年前、医療を取り巻く状況はどうであったでしょうか。
政府、マスコミ等で盛んに言われたことは「今のままでは医療費が際限なく増大し、
国を亡ぼす。医師は十年後には過剰になるから減らすべし。」と言った『医療亡国』論でした。
ところが十年後の今、何が起こったかというと、
『医療崩壊』です。この五年間、二度にわたり診療報酬の削減がありました。
国民の医療批判に真摯に答え、サービスの向上に努めてきた基幹病院にとって、
このことは財政基盤を揺るがす大きな出来事でした。
そのうえさらに医師不足が追い討ちをかけ、各地で医療崩壊が始まったのです。
幸い、乙訓地域では関係者の努力もあり、
目に見える『医療崩壊』は起こっていません。
乙訓医師会活動の十年を一言で言えば、
「地域の福祉を医療面から支えていきたい。」の一語に尽きると思います。
介護保険制度に対しては全国に先駆けてモデル事業を実施し、
制度の周知に努めてきました。
さらに、在宅療養手帳を核に介護担当者交流会を発足させ、
地域共通診断書を導入するなどサービスの向上を図ってきました。
2006年に施行された障害者自立支援法に対しても府下で最も早く医師研修を実施し、
障害者の問題を職域を越えて話し合いができるよう障害者介護担当者交流会を組織しています。
難病のみでなく「O−157」「疥癬」「ノロウイルス」「SARS」など、流行のつど、
乙訓保健所の協力を得ながら行政、関係者とともに対策の検討や研修会を実施しています。
乙訓地域の中に、病院、診療所の連携だけでなく、
行政、福祉関係者とのきめ細かいネットワークを十年の歳月をかけてコツコツと築いてきました。
こうしたネットワークこそ、様々な試練に耐えることを可能にする乙訓の大切な財産と考えています。
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