|
|
 |
 |
 |
| ホーム > 健康アドバイス > 最新の胃・十二指腸潰瘍の治療 |
 |
| ■ 最新の胃・十二指腸潰瘍の治療 ピロリ菌の除菌療法 |
|
小原内科・消化器科診療所 小原尚之 |
|
長い間、強い酸性環境の胃内は「無菌状態」とされていました。そんな胃に棲息するヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)を、豪州のマー
シャルとウオーレンが1982年に発見して四半世紀が経ちます。発見者のマーシャルが自らピロリ菌の培養液を飲んで病原性を実証した話
は有名ですが、その後ピロリ菌と消化性潰瘍の再発、難治に関わる機序が次々に解明されました。かつて体質や生活習慣により再発するとされ
た潰瘍の治療は大きく様変わりし、21世紀の今日では、潰瘍治療は「ピロリ菌の除菌」が肝要となりました。またピロリ菌が、慢性胃炎
や胃癌の発生に深く関与していることも判り、ピロリ菌の除菌は「胃の病気の治療法」を大きく変えました。2000年から胃・十二指腸潰
瘍には、健康保険適応で診断、除菌治療が行われています。ピロリ菌の存在診断には胃内視鏡検査や血液検査、呼気テスト等の検査法があり、
一般の病院や診療所でも実施が可能になっています。除菌治療は強力な制酸剤と2種の抗生剤を組み合わせ内服する方法が一般的で、一
週間で終了します。これらの治療の普及で、長い間、潰瘍の再発で苦しんできた多くの患者さんが「健康な胃」を取り戻しています。一方、こ
の数年間で、従来の治療法で除菌できないケースが10〜20%存在することも明らかになり除菌不成功の原因解明も進みました。従来の治療に用いた抗生剤が効きにくいピロリ菌の耐性検査も普及し、耐性菌の再治療に用いる数種類の抗生剤や制酸剤等の適切な組み合わせ
方法も確立されました。2007年8月からは、不成功例に対する再治療も健康保険の適応になり、未だ潰瘍で困っている方には大き
な福音になることが期待されます。ピロリ菌抑制効果のある食品等も色々宣伝されている昨今ですが、日常診療では、まだまだピロリ菌と胃
の病気の関連をよく知らない患者さんにお遭いすることがあります。今回は、ピロリ菌の感染経路や胃粘膜障害の機序等については言及できま
せんでしたが、潰瘍治療は日々、進歩しています。潰瘍で困っている方は、最新の治療法やピロリ菌のことを念頭に、適切な手当で「元気な
胃」を取り戻していただきたいと思います。
|
|
(ミニミニおとくに10月1日より)
|
|
|