医師の負担を軽減させるためには患者の医療に対する意識の変革も必要

病院の勤務医の労働環境は厳しさを増しています。厚生労働省の「医師需給に係る医師の勤務状況調査」によると、常勤医師の1週間の平均勤務時間は66時間を超えており、1ヶ月で110時間以上の時間外勤務を強いられていることが分かります。

医師数が少なく救急患者も多い小児科、産科などでは連続48時間勤務をしている医師も少なくなく、長時間労働のストレスから鬱となった若手医師が自殺する事例も報道すされるなど、長時間労働と仕事のストレスが石の大きな負担となっています。

労働基準法で定められた勤務時間の範囲内で診療科をまわすことができず、同法違反で是正勧告を受ける病院も相次いでいますが、そのような病院では常勤医の離職率も高いため、残った医師の負担が更に増すということになります。

医師の負担を増大させる大きな要因としては、軽い症状でも専門医に診てもらいたいという「大学病院志向」や、本来は緊急性がない病状でも休日や夜間にコンビニ感覚で受診したりするなど、医療に対して誤った認識をしている患者が増えていることが挙げられます。

地域住民には近所にかかりつけ医を持ち、専門医療が必要と判断された人だけが病院で受診を行うこと、そして可能な限り診察は昼間に受け、緊急性が高いときだけ休日や夜間診療を利用するという心構えを持ってもらわない限り石のハードな勤務環境は変わらず、医師不足の解決も望めないでしょう。

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