30代から始める女性医師の結婚活動

将来結婚したいと考えている人は約6割と一般の女性に比べて低い数字に

病院勤務が多忙でプライベートの時間がない、西○史子先生が世間に植えつけた「女医はわがままで、エリート意識が強い」などのネガティブなイメージ(笑)、結婚願望に乏しい「草食系男子」の増加、ライバルである看護師の存在…。

仕事の忙しさがネックに

このように、結婚の難しさばかりがクローズアップされてしまう女医ですが、そもそも、結婚願望をどれくらい持っているのかを明確に示すデータはほとんどありませんでした。

専門誌「日経メディカル」が、独身の女性医師(139人:平均年齢35.4歳)を対象に行ったアンケートによると、「将来、結婚したい」と答えた人は全体の6割強(同31.6歳)に過ぎず、比較データはないものの、一般女性のそれよりはかなり低い数字となっています。

ワークライフバランスの実現が課題

この数字の中には、「若いのに大学病院を去るのは周りのプレッシャーがキツイ。だから結婚・出産を理由に大学病院を辞めたい」、「結婚していれば仕事が楽な病院に回してくれたりもするけど、独身で彼氏もいないと、"当然フルで働くんでしょ"と仕事を押し付けられるから」、「仕事が嫌になったら家庭に入れるという"保険"が欲しい」など、必ずしも「前向き」とは言えない理由で結婚を希望している方もいるので、純粋に結婚したいと考えている方の割合は、もっと低いと推測できます。

「どちらとも言えない」は3割弱(同39.7歳)、「結婚したくない」は1割(同47.8歳)でした。結婚したくない理由として挙げられていたのは、「家事が面倒」「実家から離れているので、子育ての支援が期待できない」「一旦職場を離れると、復職が難しそう」など、家庭と仕事との両立を不安視する声が目立っています

特に、現在務めている病院に、仕事と家庭を両立している中堅の「ロールモデル」となる先輩医師がいない場合、具体的にどのように両立すればよいのかわからないという声がよく聞かれます。

家庭と仕事の両立に関する不安を払拭して、「これなら結婚できる!」と思える環境を整えるためには、出産・育児休暇、復職支援の充実をはじめ、一部の病院で採用しているワークシェアリング制度などの普及がカギとなるでしょう。これらは、医師不足や診療科偏在など、全国の医療機関が直面している問題を解決するための有効かつ実現可能な策でもあります。