医療経営の効率化を背景に関連業務の外部委託の市場が拡大しています

病院の運営に必要な費用は、材料費と経費に大別されます。日本病院会と全国公私病院連盟が実施している病院運営実態の分析調査によると、100床あたりの材料費は約3,660万円で、うち薬品費が約2,177万円と60%近くを占めています。近年は微減傾向となっています。

病院の開設者別に薬品費を見てみると、その他公的施設が最多となっており、一般病院では業小規模に比例して高い傾向となっています。その他、診療材料費は1,313万円、職自在ろ湯費は91万円、医療消耗品費が77万円となっています。

近年、発注ロットを大きくする、いわゆる「スケールメリット」で医薬品や診療材料のコスト削減を図るため、全国の約970病院が参加する全国自治体病院協議会などが共同購入を行っています。

100床あたりの経費は2,320万円で、うち臨床検査、病院給食、医療廃棄物の処理、医療事務、院内医療機器の保守点検などの委託費が1,109万円とおよそ半分を占めており、医療経営の効率化を背景としてその割合は年々高まっています。

アウトソーシングの比率が最も高い医療関連サービスは寝具類の洗濯・賃貸で98%となっており、次いで医療廃棄物処理、検体検査、医療用ガス供給設備保守点検、院内清掃と続きます。

委託率はまだ低いもの、医療事務や病院経営コンサルティングなどは、着実な伸びを示しています。病院経営の合理化・効率化が更に求められることが予測されるなか、それに対応するサービスの需要が高まることでしょう。

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