専門医を目標とする若手医師が増えるなか、地方の病院は人材確保が難しくなっています

多様な症状の患者に質の高い医療を提供するためには、多くの専門分野の医師で総合的に診たほうが、医療ミスも少なく、的確な治療を行うことができ、緊急時にも余裕を持って対応できます。しかし、医師の集まる病院とそうでない病院の二極化が大きな問題となっています。

医師、なかでも若い医師は高度かつ専門的な現代医療に対応するため、新しい知識や技術を常に身につけていくことが求められます。勤務医の給与の伸び悩み、看護師の医療行為の拡大の検討など将来の医師の職場環境を巡る不透明さや訴訟の増加などにより、自身の知識と技術の向上に最大の関心を置いています。

従来、大学院で医学博士を取得することが医師の目標の一つでしたが、現在は自身が専門とする診療科の学会で認定する専門医を取得することが大きな目標となっています。その結果、有名な指導医が在籍し、かつ症例数の多い病院に若手医師が集まりやすくなり、そうでない病院は若手医師の確保が難しくなるという人材の二極化がおきているのです。

こうした傾向は患者側も同じです。医療に関する情報が入手しやすくなった今日、患者は「日経 病院ランキング(日本経済新聞)」「病院の実力(読売新聞)」「手術数で分かるいい病院(朝日新聞)」などの口コミ・ランキング本を参考にしており、大きな病気になったときには地元の病院ではなく、それらに掲載されている大都市の高度・専門医療を提供する病院を受診するのです。

若手医師が高度・専門化した病院を目指すことはスキルアップを考えれば自然なことですが、現在の状況の中、地方の中小の病院に若手医師が集まるようにするにはどうすればよいのかが問われています。

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